表面処理とは

レアメタルが広く使われる用途の一つの表面処理について見ていきます。

といっても、表面処理自体を見ていくと、表面処理の種類や目的、処理方法、得られる効果など多岐にわたるため、レアメタルが使われる処理とそれにより得られる効果にフォーカスしていきます。

まず、今回は「表面処理って?」というところを見ていきましょう。

表面処理とは?

素材の表面に加工を施すことで素材そのものに新たな特性や機能を加えること、を指します。

この加工には、塗装やメッキ、熱や化学処理、またはそれらの組み合わせが利用されます。

表面処理の大分類

表面を処理するという文字通りの意味ですが、この加工方法には大きく2つの分類があります。

  • 除去加工:材料表面を直接洗浄したり研磨、エッチングして加工する処理
    洗浄、研磨、エッチングなど半導体のプロセスになじみの深い処理が並びますが、半導体のプロセスでの特定部分をエッチングしたりフォトレジストの残渣を洗浄やアッシングで除去したりという工程は、広義での除去加工の表面処理にあたります。
  • 付加加工:材料表面に塗装したりメッキしたり、表面を化学反応で改質する処理
    高温での焼入れや窒化処理、メッキなどがこの付加加工にあたります。
    付加加工ではCVD、PVD、めっきなど様々な手法がその処理の目的に応じてとられます。

表面処理の目的

表面処理の目的は様々ですが、主に以下の特性や機能を得るための処理が行われます。

硬度、耐摩耗性、耐食性、潤滑性、耐熱性(断熱性)、絶縁性、耐酸化性、など

構造材での高硬度、金型での耐摩耗性、耐熱性や電子材料での絶縁性、耐酸化性など、用途に応じて表面処理の目的は様々です。

表面処理の種類

  • 金属皮膜:代表的な処理にメッキ(Plating)、蒸着(CVD/PVD)、溶射などが挙げられます。
  • 非金属皮膜:金属以外の皮膜でセラミックコーティングなどが挙げられます。
  • 表面硬化:焼入れや窒化処理などが挙げられます。

レアメタルが使われる表面処理とは

レアメタルの主要な用途の一つに構造材への添加材料がありました。表面処理の目的である耐摩耗性や耐食性、高硬度といったものは、レアメタルを添加する目的に大きくオーバーラップしています。つまり、レアメタルは表面処理において幅広く用いられる材料、になっています。

例)

耐摩耗性 — クロム(Cr)系被膜 (めっき、PVD)

耐熱性 — 酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO3) (溶射)

電気特性 — ITO被膜 酸化インジウム(In2O3)とスズ酸化物(SnO2)の化合物 (スパッタリング)

 

 

 

 

 

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