レアメタルの用途: 構造材

レアメタルの用途は、大別して3つありました。(「レアメタルの分類」参照)

構造材、電子材料・磁性材料、機能材料でした。

ここでははじめに挙がっている構造材を見ていきましょう。

構造材とは?

構造材とは読んで字のごとく、建築物の構造部分を構成する建築材料を広く指します。

形状や構造を支えるための部材で、建物では柱、ヒトでは骨にあたる部分です。その材料には使用される目的や環境に応じて木材や鉄、アルミニウム、石材など様々なものが使われています。

構造材に使われるレアメタルとは?

レアメタルには、添加することで元の材料(ベースメタル)の強度を増したり、耐食性を向上させたりする特性を持つものがありました。

身近な例としては、ステンレス鋼が挙げられます。ステンレス鋼は、主成分(50%以上)が鉄(Fe)で、耐食性を高めるためにクロム(Cr)を10.5%以上含む合金です。クロム(Cr)の他、ニッケル(Ni)を添加するものもあり、18クロム-8ニッケル(クロム(Cr)18%、ニッケル(Ni)8%)のSUS304は”サスサンマルヨン”などと呼ばれ代表的です。

ステンレス鋼は”Stainless Steel”で、つまり”さびにくい鉄”です。この特性は、鉄(Fe)にクロム(Cr)を添加することで、クロム(Cr)が空気中の酸素と結合して表面に薄い保護被膜(不動態被膜という)を作り、この被膜が錆びを防ぐ働きをすることから得られます。

他にも、”ハイス”と呼ばれる高速度鋼には、クロム(Cr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、コバルト(Co)といったレアメタルが添加され、それにより耐熱や耐摩耗といった目的に合った特性を持たせることができます。

7種の国内備蓄

レアメタルの中で、主に構造材用に添加する以下の7種類については、安定的な供給を目的として使用量の60日分が備蓄されています。
マンガン(Mn)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、コバルト(Co)の7種類です。

構造材に使われるレアメタルとは

添加することで強度や耐食性などの特性を持たせる働きをするもので、7元素については国内で60日分の消費量が備蓄されている。

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